CAPTAIN'S
REMINISCENCES


ラグビーは究極の「自己犠牲」のスポーツ

この度は、修猷館ラグビー部創部100周年、誠におめでとうございます。
平成31年度卒主将の楢本鼓太朗と申します。
創部100周年にあたり、高校時代を振り返りやラグビーについて想いを綴れる貴重な機会を得ることができ、大変光栄に思っております。
6歳からラグビーを始め、現在も社会人クラブチームでラグビーを続けているので、2025年で競技歴19年目を迎えますが、今振り返ると高校ラグビーの3年間がラグビー人生で一番濃密な時間であったように感じます。
当時の私は「目標は花園出場!」などと軽々しく口にしてはおりましたが、全国屈指の強豪校東福岡高校を倒さないと花園なんてはるか遠い夢、中学の福岡県選抜出身の選手が誰もいない我々の代で、東福岡になんて勝てるわけもなく、心のどこかでは最低でも「県内ベスト4」に入れば十分だろうと思っていました。
そんな思いとは裏腹に現実はそんなに甘くなく、私の代で迎えた新人戦では今まで公式戦で負けたことのない福岡工業高校に敗れ、ベスト8。春の大会も東筑高校に敗れ、ベスト8で敗退。
花園出場はおろか「4強の壁」は高く、どうしたら勝てるのかと模索する日々でした。
加えてハイレベルな学業についていきながら、学校行事も楽しまなければならない。
今振り返ると修猷館高校でラグビーを3年間やりきることってすごいことだなとしみじみと感じます。
そんな状況下でも「4強入り」「花園出場」を目標に掲げ、目の前の一つひとつの勝利を目指して、チーム一丸となり日々の練習・試合に取り組んでおりました。
また主将という立場は毎日の昼休みに体育教官室の眞鍋先生のもとに伺い、自身で考えた練習メニューを報告しご指導をいただくという、“大変ありがたく” 1日の中で “一番濃密で恐ろしい” 時間がありました…。「練習メニューの目的が分からない。」「今のチームの課題を明確にして、その課題をもとにメニューを考えなさい。」など、それはもう毎日のように眞鍋先生からけちょんけちょんに言われる日々でした…。(笑)
そんな愛のあるご指導のもと、「4強入り」「花園出場」を目標に掲げ、目の前の一つ一つの勝利を目指して、チーム一丸となり日々の練習・試合に取り組み、そして迎えた花園予選。
準々決勝で敗れた福岡工業高校に19-12で勝利し、無事「ベスト4」進出を叶えるができました。勝利したときの嬉しさと安堵は今でも忘れません。
次の準決勝はレベルファイブスタジアムで筑紫高校に挑むも力及ばず負けはしましたが、チーム一丸となりノーサイドの笛が鳴るまで修猷魂を示すことができたように感じます。
話は大きく変わりますが、私は、ラグビーは究極の「自己犠牲」のスポーツだと思っております。「皇国のために 世のために」と修猷館高校の館歌の歌詞にもありますが、
“仲間のために体を張ってタックルをする、味方の繋いだボールを必死に繋ぐ“
など、こんなに美しい自己犠牲のスポーツは他に探しても無いように感じます。
この「自己犠牲」の精神の土台を作ってくれたのは間違いなく高校3年間であり、高校生活でラグビーをやり遂げることができたのは、一緒に勝ちたい同期・先輩方や後輩がいたこと、勝ちを届けたいOB、先生、家族がいたからのように感じます。月日はかなり経っておりますが、この場を借りて改めて御礼を申し上げます。本当にありがとうございました。
またこのような100年以上続く伝統のあるチームで主将という大役を担えたこと、100年という長い歴史を持つラグビー部の一員であったことに誇りを感じるとともに、これまでチームを支え、繋いできたすべての先輩方、指導者の皆様に深く感謝申し上げます。
最後に現役の選手にメッセージを送って締められればと思います。
修猷館高校で培った“魂”や“経験”は間違いなく、今後の人生で大活躍します。
学業・部活・行事と青春盛りだくさんかと思いますが、目の前の一つひとつを是非一生懸命楽しんでください!そして、大学でもぜひラグビーにチャレンジして欲しいです!
以上、拙い文章で大変恐縮ではございますが、
最後までお目通しいただきまして誠にありがとうございました!
末筆ではございますが、修猷館高校ラグビー部のさらなる発展と、現役選手の健闘を心よりお祈り申し上げます。