CAPTAIN'S
REMINISCENCES


仲間と共に駆け抜けたラグビー人生

この度は、修猷館ラグビー部創部100周年、誠におめでとうございます。
平成30年度卒業の朝倉大知と申します。私は高校時代、修猷館ラグビー部で主将を務めさせていただきました。このような歴史あるチームでキャプテンという大役を担えたことを、今でも大変光栄に思っております。改めて100年という長い歴史を持つラグビー部の一員であったことに誇りを感じるとともに、これまでチームを支え、繋いできたすべての先輩方、指導者の皆様に深く感謝申し上げます。
私たちの代は「狂」というスローガンを掲げ、県大会優勝、そして花園出場を目標に日々練習に励んでいました。「狂」という言葉には、どんな状況でもひたむきにラグビーに打ち込み、周囲を圧倒するような熱量を持ってプレーしようという思いを込めていました。しかし、私たちのチームは決して全国クラスの強豪校のように優れた選手が揃っていたわけではなく、半数以上の選手が高校からラグビーを始めたメンバーでした。私自身も含め、県選抜や全国レベルで活躍したような選手はおらず、技術的には決して高いチームとは言えなかったと思います。しかし、その分、私たちの強みはチームワークでした。仲間同士で助け合い、支え合いながら、「全員で勝つ」という強い意志を持って戦った代だったと思います。
最終的な結果は県大会ベスト4に終わりましたが、そこに至るまでの道のりは決して平坦ではありませんでした。特に印象に残っているのは、福岡高校との試合です。毎年恒例の定期戦では、全校応援の中で試合を行いましたが、結果は完敗でした。さらに、春の大会でも再び福岡高校に敗れ、チームは数年ぶりにベスト16まで順位を落としてしまいました。大きな挫折を味わい、「このままでは目標に届かないのではないか」という不安に襲われました。しかし、私たちはそこから本気で変わろうと決意し、チーム全員で何度も話し合い、練習の内容を見直しながら、ひたむきに努力を積み重ねました。その結果、花園予選では福岡高校にリベンジを果たし、念願のベスト4進出を達成しました。この時、改めて「チームの力」の偉大さを実感しました。個々の能力では劣っていたかもしれませんが、全員が同じ目標に向かって努力し、互いを信じて戦うことで、どんな強敵にも立ち向かえるのだということを学びました。
また、私たちの代はとにかく仲が良く、何をするにも全員で行動していました。試合前の緊張する時間も、試合に負けて落ち込んでいる時も、常に仲間がそばにいて支えてくれました。練習は決して楽なものではなく、時には心が折れそうになることもありましたが、そんな時こそ仲間の存在が力になりました。一緒に苦しみ、一緒に笑い合った仲間とは、卒業後も変わらぬ関係が続いています。社会人になった今でも集まって旅行に行くほどで、こうした絆こそが高校ラグビーを通じて得た一番の財産だと感じています。だからこそ、今の現役選手の皆さんにも、ぜひ「仲間を大切にしてほしい」と伝えたいです。高校の3年間はあっという間に過ぎていきますが、その間に共に戦い、同じ時間を過ごした仲間は、一生の宝物になります。時には辛く、苦しい時期もあるかもしれませんが、そんな時こそ仲間を頼り、一緒に乗り越えていってください。数年後には、その苦しささえも笑い話になり、かけがえのない思い出になるはずです。
そして、私が最も伝えたいのは、「大学でもラグビーを続けてほしい」ということです。修猷館ラグビー部の卒業生は、大学進学後にラグビーを続ける割合が比較的少ないように思います。しかし、私は大学でもラグビーを続けましたが、修猷館の選手は十分に通用すると確信しています。修猷館の選手は、身体を張ることができ、状況を見て考えながらプレーする能力を持っています。その強みを活かせば、大学の舞台でも必ず活躍できるはずです。実際にプレーをしていると、「あいつが大学でもラグビーを続けていたらなぁ」と思う場面が何度もありました。高校で培った基礎、戦う姿勢、そして仲間との絆は、大学ラグビーでも大いに活かせるものです。だからこそ、今の皆さんには、高校卒業後もぜひラグビーを続け、大学のフィールドで再び仲間やライバルと再会できる日を楽しみにしていてほしいです。
最後に、私が考えるラグビーの魅力をお伝えできればと存じます。ラグビーは、誰でも活躍できるスポーツです。体が小さくても、足が遅くても、運動音痴でも、努力さえすれば試合に出ることができると思います。どんなに優れた選手がいても、一人では試合には勝てません。それぞれの役割を果たし、信頼し合いながらプレーすることが重要です。そして、この経験は、ラグビーを引退した後の人生においても、大きな財産となります。私はラグビーという競技に巡り会えて、ラグビー人生の仲間で最高の仲間に出会えました。どうか辞めずに、楽しくプレーしてください。
修猷館ラグビー部の創部100周年という節目の年に、こうしてメッセージを送る機会をいただき、大変光栄に思います。今後も修猷館ラグビー部がさらなる発展を遂げ、後輩たちが活躍してくれることを心から願っています。皆さんの健闘を期待し、これからも応援しています。