SHUYU
MOUNTAIN RANGE


渕本武陽先生へ
昭和から平成へ時代が変わる時に我ら平成元年卒は3年間、渕本先生に直接、指導していただきました。先生は修猷館での最後のご指導だったと思いますが、今振り返ると有難い貴重なことだと思い返します。

その当時、先生を大いに失望させてしまった黒歴史を我らの代は持ちます。新キャプテンが鶴丸秀一郎君となり、なんとか強くなりたいと、自宅から走って登校するようにしたり、部活前後の筋トレを自主的に始めました。その努力が力となって秋には本気で東福岡に勝って花園に行くと思っていました。しかし、夏休み直前に未成年である自分達の不適切行動(つまり、飲酒)のために部活停止となり、夏合宿ができませんでした。春の大会や練習試合での成績が良く、「今年は強い」と言われていただけにさすがに凹みました。先生は叱責ではなく「何のためにラグビーをしているのか考えろ」とだけ言われた気がします。それから我らは頭を丸坊主にしました(集合写真でヘッドキャップを被っているのは我が代だけ)。結局花園出場は果たせませんでしたが、この不祥事はチームの絆をより強くしたと思っています。

先生は「将来のラグビーをやっていて良かったというものを学びとってもらわなければ何の意味のない」と仰っていました。我らの代は今でも集える場があり、頻繁に飲み交わしています。我々はいろんな仕事を取り揃えており「ゆりかごから墓場まで」、教師、寺住職、弁護士、銀行、商社、メーカー、学者、職人、医者などがおりますが、中でも一番嬉しいのはキャプテン鶴丸秀一郎君が店「旬鮮 つるの家」(福岡市渡辺通2−9−13)を開けてくれていることです。
そこで近況報告や昔話をする度に、修猷館でラグビーをやってよかった、仲間がいてよかったと思います。先生が我々に伝えたかったのはこのことなのだろうか?と自問する今日この頃です。 本当にご指導ありがとうございました。
