SHUYU
MOUNTAIN RANGE


谷間の代
「あー次の代はだめだ。」1つ上の代の最後の試合が終わった後、そう言われたところから僕らの代はスタートした。能力のある上の代と下の代に挟まれたいわゆる谷間の代だった。
昨シーズンの成績がベスト4だったため裏花園への出場権をもらい出場したが、初戦の四日市農芸戦には勝利したものの、伏見工業・大阪桐蔭・春日丘に大敗。同世代のトップレベルの高校との力の差を痛感した。
上の代はチーム作りを念頭に置いた練習、僕らはとにかくタックル、試合が終われば、Bチーム、1年生の試合が終わるまでずっとタックル。スクラム練習も所定の場所へ全力で走って移動しスクラム、相手の人数を8人より多くし組み負けたら1周走って勝つまでスクラム。こんな練習を1年続けた。

ハードな練習を続けてきたが、定期戦は福岡堅樹のいない福岡高校に大敗。やはり自分たちはダメなのか、そう思わざるをえなかった。
しかし九州大会県予選、福岡高校戦12-17、リベンジはできなかったが福岡のいる福岡高校と勝ちが見えるところまでもっていけた。
流大率いる荒尾高校との練習試合でも勝つことはできないもののいい試合はできた。
練習試合では不甲斐ない試合も多々あったが、ここぞという試合では力を発揮できる。そんな自信が徐々にではあるがついてきた。
そして始まる花園予選。谷間の代で来た記念大会。筑紫の山に入れば花園に行けるかもしれない。直近の結果はベスト8、どこに入るかは抽選次第。抽選結果は筑紫の山。全員が沸いた。
初戦は城南高校33-0、いい試合内容とは言い難かったが勝った。
そしてむかえた準決勝筑紫高校、一進一退の攻防が続き、前半終わって7-5リードして折り返す。筑紫のパワーを活かした攻めに少しでも気を緩めたら負ける。そんなヒリヒリした試合展開でした。結果は14-20、6点差。勝てた試合だっただけに悔しさが込み上げた。試合が終わり「ここ近年で一番修猷館らしいチームだった」その言葉をもらい、今までの努力、悔しさが報われたような気がした。今思い返してみれば最初に言われた「次の代はダメだ」それを覆したい。その強烈な意地、執念のようなものが皆の心のどこかに常にあったように思う。

中学でラグビーを始め、大学まで続けたラグビー人生の中で最も充実した1年であるとともに最も戻りたくないそんな1年でした。

最後に現役の選手たちへ、中学のクラブの立ち上げに関わり、運営をしてきた者として、きれいな人工芝のグラウンドがあり、そこを自分たち占有で使える。その環境は当たり前ではないということ。常に感謝の気持ちをもち、1日1日の練習を大事にしてもらいたいと思います。
これからの修猷ラグビーの活躍を心より願っております。