OBのみなさまへ
1/31は寒い雨天の中、グローバルアリーナでの試合応援にお集まりいただき、誠にありがとうございました。
修猷館 3-22 筑紫
(前半3-5、後半0-17)
「公式試合の記録」を別サイトにUPしました。
(現役ブログより転載:2010.02.19追記)
【2010.02.08 追記】>>観戦された先輩から「観戦・分析レポート」いただきました。「続きを読む」に転載(ご本人承諾済、一部編集)させていただきましたので、こちらも是非ご一読ください。
試合の写真を別サイトにUPしましたのでご覧ください。
kouno
新人戦準決勝観戦記
グレーの、それも黒を多く混ぜないと出せないような鉛のような空から、シトシトと降り続く雨。 朝から、応援に行くんもシロシカ~、グローバルちょっと遠かね~と恨み節。いかんいかん、真剣にラグビーに打ち込み、試合当日は胸を締め付けられる様な緊張感で朝を迎えていたあの頃のピュアな自分は今どこに…。(反省)
グランドに着くと、既に東と小倉のゲームが始まっていた。強豪どうしの対戦になると、まず人と人がぶつかる音の次元が違う。瞬時のスピードアップの素晴らしさに目を奪われる。対面を見据える眼光、恐れずヒットする勇気、倒し倒されまいとする意地のぶつかり合い。雨の中に立ち昇る湯気。ほんと、一気に目が覚めました。
試合結果は、東の39対7の勝利に終わったけど、内容的には、そんな差は微塵も感じなかった。小倉の意識の高さと、後半20分までのパフォーマンスは見事としか言いようがなかった。挑戦者としてゲームを良い意味で楽しんでやっており、ミスを恐れず集中してアグレッシブに前に出ている。これから秋に向けて順調に伸びれば、東にとっても脅威の存在になるだろう。又これは東筑にしても福高にしてもしかり。新チームの可能性は無限大なだけに、楽しみなところ。 皆、今の新鮮な高みにあるモチベーションを秋まで持続出来るかがカギになるだろう。
冷たい雨のコンデションのせいで、東の持ち前のパスとキックの精度が極端に落ちていた事も事実だ。だが、それをカバーして余りあるデフェンス力。タックラーが瞬時に起き上がりボールにからみジャッカルしターンオーバーを何度も連発させていた。そこからの切り返しこそ、相手にとっては準備のしようがないだけに脅威だ。又、雨の中ミスを恐れずスペースにトップスピードで走り込んでくる所は流石だし、もしハンドリングエラーをしたとしても、誰も悪びれずそれを責める選手は一人もいない。そういう環境を創造しているスタッフも素晴らしい。その姿勢を貫き通し、五月のワールドユース、九州大会、菅平の夏合宿と飛躍的にステップアップして行くのだから、他の公立高校はたまらないだろう。
さて、本題の 修猷 vs 筑紫、ファイナリストを賭けた闘い。戦前の予想では、筑紫の評価が高く、「良い試合をしてくれ」というのがOBのおおかたの願いだったのでは…。自分も正直そう思っていた。冷たい雨は降りやまず、気温はぐんぐん下がっていく。そんななかのキックオフ。何回経験しても身震いする程の緊張感。良いね~。
早速、敵陣10mライン上のマイボールスクラムから出たボールを9番がボックスキック、ゴール前5m付近で相手が処理をもたつくところ13番がナイスチエイス。ボールを確保し怒涛の攻め、FWで拘ってリサイクルしながらサイドをつくもさすがに筑紫、ゴール前5mは鉄壁、死守された。しかし、これで勢いがつき、エリアマネジメントも機能し、ラインアウトモールをなんども仕掛けゴール前に迫った。その間、一発のカウンターキックで自陣に戻される事はあったものの、すぐに、敵陣に切り返し前半のエリアとボール支配率は70%を超えていた。
15分過ぎ相手のキックをナイスチャ-ジ、インゴールで押さえたに見えた幻のトライがノッコンと判定されたのが痛かった。これが認められていれば、ゲームの流れが大きく修猷に傾くのが予想されたし相手を十分に慌てさせるプレーだった。それでも、めげずに攻め続け、25分相手が25mライン中央で犯したペナルテイ―に対し冷静にショットを選択し、待望の先取点をあげた。だが、一旦ゲームがリセットされた次のキックオフから流れが変わる事はよくある事で、その悪い予感が的中し28分トライを返され3対5で前半を終了した。
強豪、筑紫に対し一歩も引けを取らないプレーぶりに、となりの席の現役時代バイスをしてくれていたH君に「夢を見ても良いかいな」と思わず言ってしまいました。
後半の開始10分をどちらが支配するかで勝負が決まるだろう事は、だれでも予想し得るところだが、筑紫の後半のキックオフの入り方は気迫十分、西村先生に魂を注入されたのが観客席から見て取れた。その気迫に押され修猷が受けてしまった。開始5分それまでは、きっちり押し上げていたデフェンスにギャップが生まれ、10番にラインブレークされゴール前まで持っていかれ、ポイントから大型のFWの縦突破であっさり、トライを献上してしまった。ゲームの肝の時間帯での集中力、チーム全員に浸透している。だが、まだ3対10ワントライワンゴールで追いつける。修猷の気持ちも切れず、決めごとの大胆なキックパス等織り交ぜながら果敢に攻め立てた。それは良し。ただ、ゴール前に行きながら、手詰まりの背後へのショートパントがいく度かあった。攻撃権の放棄には疑問符が…。また、敵陣深くからのラインアウトモールもショートで並ぶため解消するまでの時間に消耗してしまい、解消後慌てて残りのFWが駆け付けた時には、モールのコントロールを失っている事が多い。もったいない。又、大外に振った時のFWの寄りが遅い。近くのバックスがラックに参加し確保しているが相手FWの到着が速いためターンオーバーされる確率が非常に高いのが、散見された。そうこうしている内、14分またしてもサイドを突かれトライを奪われた。ゴールが決まらず3対15。あと15分でツウートライツーゴールでの逆転圏内、まだ諦めるには早い。
だが、修猷サイドには諦めムードが…。スタッフから、「一本取れば流れが変わる」の檄が飛ぶも、既に消耗仕切っているのか、反応がなく淡々とゲームをしているように見えた。キャプテン、ゲームリーダー、馬鹿になってガムシャラなプレーを見せて、でかい声を出して引っ張ってくれ~。 20分とどめのトライゴールを獲られ、3対22勝負は決した。だが、ここから、気持ちが切れて、無茶攻めをしたりして、大量失点を食うことが多いが、修猷は感心する程冷静に確実なプレーを継続していた。筑紫もそれ以上攻めきれず。そのままノーサイドを迎えた。
修猷にとっては、得る事の多いナイスゲームであった事は間違いない。ただし、「良い試合したけど残念やったねー。」は言いたくない。課題はたくさん見えたが、それを修正していくのは安易なことでは決してない。未経験者が大半を占めるチーム事情もよく理解出来る。背負っているハンデは果てしなく大きい。 それでも「修猷」あのチームとはやりたくないと言わせる事が出来るチームに、必ずなって欲しい。
新人戦は終了したが今後、春の福高定期戦、九州大会、そして全国大会予選では成長した試合が見られることを期待している。